榎 戸 材 木 店 ブ ロ グ

東京の新木場で、山武杉の低温乾燥材を取り扱っています。

#07:柾目と板目

スギの特徴の1つに、目合いがハッキリしていることがあります。木目を楽しむのであれば、ヒノキやヒバより断然、スギがお勧めです。

ご存知の通り、木目には柾目と板目があり、使い道によって使い分けられます。樽や桶を作るには後から狂ったりすると、中に入れた水などが漏れてしまうので、柾目使いにします。

天井板や床のフローリング、壁などの羽目板は板目の方が木目を楽しめるので、その多くは板目使いです。この場合、加工する前にシッカリと乾燥させておかないと、後から縮んで隙間があいたり、反りなどの狂いが生じます。

昔の住宅の日本間の天井にはスギの板が使われることが多かったですが、木目を楽しむことの他に、無垢の板で巾の広いものを取るには板目の方が取り易かったこともあるのかも知れません。

高度経済成長期に大量の家が建てられるようになると、無垢の木材を内装などに使ったのでは供給が間に合わないこともあり、新建材やクロスが多用されるようになりました。

張った時が最も綺麗で、年月が経つほど汚れていく新建材や壁紙に比べ、無垢の木材は年月が経つと確かに日焼けはしてきますが、汚いという感じではなく味が出てくるのは、建ててから数十年、時には100年以上経った古民家や古い商店などの建物の内部を見て頂ければ御理解頂けると思います。

戦後植えたスギも50年、60年経ち、十分に使える太さになりました。柾目、板目を使い分けながら、無駄なく利用していきたいものです。

 

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