榎 戸 材 木 店 ブ ロ グ

東京の新木場で、山武杉の低温乾燥材を取り扱っています。

#05:建具材の乾燥

 岩手県の木工所から、スギの賃乾燥依頼をいただきました。

 わざわざ岩手県から東京の新木場まで木材を運んできて乾燥させ、また引き取るというのは手間や費用、時間が掛かりますが、それだけの理由があります。

 

 羽目板やフローリング以上に、建具材*1や造作材*2はしっかり乾燥させて使用しないと、あとからドアの建てつけが狂ってしまったり、窓枠に隙間が出来てしまったりします。

 昔は建具、造作材は10年間以上もサン積みして天然乾燥させましたが、今では高温・中温の人工乾燥が主流です。木の風合いや艶、香りを大切にする木工所は、このような中温、高温の乾燥は嫌うため、わざわざ岩手県から材を運んでくるのです。  

 送られてきた板は製材したばかりで樹皮が付いたままなので、まずそれを剥して、オガクズを落とすことから始めなくてはなりません。

 今回2度目のご依頼ですが、「やはり低温乾燥させた材は色艶が違う、寸法安定性に優れ、後からの狂いも少ない」とおっしゃっていただいています。

 

 低温乾燥の良さを理解して下さる会社が全国に出てきたことは、とても嬉しいことです。

 

 

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*1:木製のサッシなどのようなもの

*2:建築内部の仕上げ材・取り付け材の総称。天井・床・棚・階段や和室の鴨居・敷居・長押・框など